【世銀レポ】コモディティー Oct 2021
Data: The World Bank
概要
2021年第3四半期、エネルギー価格が上昇をつづける一方で、非エネルギー価格は年初の急激な上昇が頭打ちになっている。天然ガスと石炭の価格は史上最高値をつけたが、需要の鈍化と供給制約の緩和のため、2022年には下降に転じる見通しだ。原油の価格は2021年の1バレル平均70ドル(約7,700円)から2022年には74ドル(約8,140円)に上昇すると予測されている。金属の価格は今年48%以上上昇しているが、2022年には5%の下降に転ずる見通しである。農業商品の価格は2021年には22%上昇したものの、2022年には広範にわたって安定するものと見られている。コモディティー価格の高止まりがつづけば、エネルギー輸入国の成長は鈍化し、低所得国における食料の確保がむずかしくなるだろう。さまざまなリスク要因がある。たとえば天候不順、さらなる供給不足、次なるコロナの波などなど。
今年のコモディティーの価格変動によって、ゼロ炭素経済への移行の難しさが際立った。都市部がその鍵をにぎる。なぜなら、エネルギー消費と温暖化ガス排出の3分の2を占めるのが都市部だからである。都市化に焦点をあてた特別レポートは、増大するコモディティー需要に関するものだ。過密な都市は、低密度な都市にくらべて一人当たりのコモディティー需要は少ない。都市化による将来のコモディティー需要の影響を最小化するためには、戦略的な都市計画が求められるだろう。